夢の細道

夢日記

ハンコ屋 #46

ハンコをなくしたのでハンコ屋に行った。頭の禿げた痩せたオジイチャンがいた。高校生の私を見るとハンコ屋が何か言ったが、とても聞きとりにくい。ズーズー弁なのか私の耳が悪いのか。ただ、私のことを心配して気づかっているようだった。どうやら、どうやってここまで来たのか、という意味らしい。私は肩の骨にヒビがはいって学校を休んでいること、ここまではスクーターで来たことなどを話した。老人は自宅でハンコを作っているハンコ職人で、詩人だった。店には彼の詩集もおいてあった。最新刊のタイトルは「骨の髄まで経験して死ぬといいだ」というものだった。ちょっとめくってみると、彼のズーズー弁より分かりにくくて、すぐに冊子を閉じた。私は好奇心から、詩の極意はなんですか、と質問してみた。老詩人は、無だ、と答えた。
次に、私は老詩人と同年代の老人になっていて、老詩人に、あなたのことも詩のことも全然わからないんです、と言った。オジイチャンは
能面のように笑っているだけだった。
ハンコなくしたら、また来まーす、と言って店をでた。私は少し怒っているようだった。誰でもない自分自身に腹をたてているふうだった。