夢の細道

夢日記

多摩川の釣り名人 #87

私は黒人人権運動家で牧師になっていた。たくさんの仲間が殺され続けた。私は演説中に民衆の前で殺された。自分の故郷の教会の庭で、遠くのビルの窓から狙撃された。オナカをぶち抜かれて演台から転げ落ちた。腹を押さえながら地面にうつ伏せになって死んだ。

テレビでニュースを見ていると、見たことのある女の人が現れた。三十代の主婦のタカナシさんだ。小岩のバス停から実況中継だ。ここで一年前に大惨事の事故が起きていた。タカナシさんはオレンジ色のワンピースに白の薄いカーディガンを羽織っていた。髪はショートとロングの中間タイプだ。タカナシさんは一年前の恐ろしい体験を語った。あの時、私はタカナシさんのすぐ後ろでバスを待っていた。そこへ停まるはずのバスがスピードを落とさず突っ込んできた。一瞬にして十数人が死傷した。タカナシさんは間一髪で怪我を免れ、私も呆然と立ち尽くしたものだった。

釣り名人が訪ねてきた。多摩川の釣り愛好会で作っている機関誌を見せてくれた。表紙には変わった魚の写真が載っていた。多摩川の有名な固有種で、ウナギ型で、タチウオとリュウグウノツカイのあいの子みたいな魚体。頭部に特徴があり、花のガーベラのようなヒダのある丸い頭に目と尖った口がついている。体色は薄茶褐色だ。名前は忘れた。ウィル君なら面白い絵が描けそうだ。
カアサンは私との口げんかで、どこかに引っ込んでいた。最近、私も多摩川に釣りに行っており、その時の写真を名人に見せようとした。川の風景だけで、名人は多摩川と言い当てて、さすがと思った。釣った小魚の写真を出そうとして画面がフリーズしてしまった。カアサンを呼んで、どうしたらいいか教えて下さいと、ご機嫌をとりがてら聞いてみた。画面左上のESCキーを押せば、とカアサンが言った。スマホがパソコンになっている。ESCキーを押したが変わらない。そうだ、夢だからダメなんだと気づいて夢をエスケープしたら、全部消えていた。