家の近くの小さな釣具店に入った。暗いので、垂れているヒモを引っ張って電気を点けた。店主はいるようだったが、奥の狭い部屋に家族と一緒にいるようだった。豆アジを釣るためのピンクのスキンサビキ針を探した。豆アジを泳がして、青物やイカを釣ろうという作戦だったが、ないので店の電気を消して出ようとしたら、奥の部屋から二人の男の子が出て来て私にまとわりつきだした。男の子たちは格好の遊び相手を見つけたというふうだった。私も暇だったから適当にじゃれてあげた。大きな子に、小学3、4年生かと聞いてみると、1年生だと言った。動きが機敏なのでサッカーでもしているのかと思ったら野球をしているという。チームのキャプテンだが、さえないポジションだとこぼしているので、今のうちはタマ拾いだけでいいから、しっかりカラダを鍛えたほうがいいよ、と私が言った。名前はサトウゴウだと言った。もう一人年少の可愛い幼児に名前を聞いたが、返事がない。私とゴウとで、こいつの名前はファースト子ネコちゃんだと呼ぶことにした。二人は私の家の近くまでじゃれながらくっついてきた。オジサンもう眠いから帰るよと私が言った。釣ったら魚見せてよとゴウが言った。どうせまた釣れないだろうが、この子供たちと仲良しになれそうな気がした。