夢の細道

夢日記

釣り日記ではない 6

そこは人のほとんど訪れることのない人々にうち捨てられ忘れかけられた70メートルほどの海に突き出た突堤でたまに物好きな老釣り師が竿を出すくらいの釣り人さえにも見捨てられた海鳥の姿もないうら淋しい場所だった。今はなんの用途もないが昔は小さな漁船の停泊のために作られたのだろうか。戦時下に人間魚雷の出撃基地として作られた遺物のような。停車駅からほど遠く駐車場もないが海沿いの道路の向こう側に小さなコンビニがあってトイレの役にはなっている。なんの魚も釣れることはほとんどないが、まれに黒鯛が釣れるという噂があった。いつか釣れることがあるのだろうか?怪訝な思いで今日も無意味に竿を出す。でも、何故か、海と光と風に包まれて、気持が楽になる。