伊豆の山道のまだ通ったことのない道の方へ行ってみると、広い下り坂の入り際で誰やら募金活動をしている。そこをスルーして、下り坂をしばらく歩くと大きな建物に行き着いた。中は食事処みたいになっていて客たちが麺類を食べていた。スマホで今日の株価を確認したかったが、休憩する場所がない。その建物の先には行けなくなっている。ここで確実に食事をとって帰る仕組みになっている。これは八百長ではないか。まるで蟻地獄みたいだ。🐜
帰りは登りの坂道の脇が狭いエスカレーターになっていた。
A社でのこと③ #39
その小さな出版社に、週に1度、各書店から集められた返品本がトラック🚚で届けられた。返品本が届くと、みんな仕事の手を止めて総出で台車をだして積み下ろしを手伝った。私は検品係だった。トラックの荷台に入って伝票と返品本を照らし合わせ、間違いがないかチェックした。月刊誌や季刊誌はよく号数間違いがあった。今回はそんな間違いには目をつぶった。他社の本が混じっていた。伝票にその書名や出版社名などを書いて受け取りは拒否だ。
チェックが終わって、配送車の兄ちゃんが、荷が少ないと交通料金が少ない、逆に荷が多いと交通料金が高くなると言った。なるほどと納得した。それから兄ちゃんは荷台の入口にしゃがんで、何か言いたげだった。まだ何かあったっけかなと次の言葉を待つが、いっこうに口をあけない。そのまま、お互いしばらくじっとしていた。
サクラマス #36
北海道の民宿のような所に3人で泊まっている。1人は日馬富士に似た釣り人で、砂浜に一緒に出かけた。
広大な砂浜は、沢山の人で賑わっていた。海に面して一列にビッシリ並んで、海に向かってイッセイにルアーを投げている。地元の婆さんまで混じっている。友人もルアーを放ると、1投目でサクラマスがかかった。引き揚げると1.5メートルはある巨大なやつだ。片ヒレの部分が大きく欠損している。それは南極で実験に使われた証拠で、由緒ある魚だということだ。
宿に戻り、私は大きなヤカンで湯を沸かし、みんなに緑茶を入れた。「1匹で釣りをやめるなんて、もったいない。5、6匹は釣れただろうに。」と言った。1匹でやめたのには、それなりの理由があるらしかった。みんなは明日帰る予定だが、私はこれから釣り道具を購入して、しばらくここに残ると言った。
ドリンク #34
屋上の大きなテントの中でドリンクを作っている。手ごろなボールの中に藍色の濃縮ジュースのような液体を入れ、そこに日本酒をそそいで、お玉でかき混ぜ、小さなグラスに注いでみんなに振る舞う。私も作りながら何杯も飲んだ。藍色の液体が終わったので、今度は肌色の濃そうな液体をボールに入れると、分量が多すぎるようなので、日本酒の量も増やした。日本酒の瓶がカラになった。
みんなに振る舞う前にトイレに行っておこうと、向かい側にある公衆トイレに行った。足元が酔いでふらついた。私がいなくても、みんなアレを飲んでいるかもしれない。トイレ入口の脇に軽食用売店があって、カウンターの向こうで二人の女が働いている。酔い醒ましに年増の方にアイスティーを注文するが、ないという。では、コーラを、と言うが、コーラもないという。少しイラッときた。