夢の細道

夢日記

コリー #70

コの字型のコンクリートの堤防のような所で、たくさんの人達が釣り竿を出している。水深は1メートルもない浅場だ。私もアキを見つけて竿を出すと、すぐに小魚がかかった。その小魚をエサにして、また足下の水の底の方に落とした。場所を変える度に1人の少年が付きまとってきた。ある箇所では、幼女の遊び場だったので釣りは控えた。
いい時間が過ぎたところで、ミノカサゴを釣り上げた。トゲトゲに釣り針が引っ掛かっていた。周りの人も羨ましげだった。この1匹は、塩焼にしたらウマイかもしれないと、持ち帰りにして引き揚げた。
氷を買おうと、駅構内の店に入った。ブロックアイスを探したが、痩せた女店員が、板氷しかないと言うので、ソレを買った。女店員は、ケーキも買ってと言う。景気がよくなるからという。私は、カアサンに叱られるから買わないと言った。
夢の中で、ダジャレを言われたのは初めてのような気がする。

夜中まで会社に居残って仕事をしていた。一段落して階下に行くと、社内で何人かが寝ていた。締切間際はいつもこうだった。
会社の外へ出てみた。川べりに並んでいる人たちは、足を水に投げ出して、死人のようだった。ふと水の中に青いスマホを見つけて拾ってみた。居並ぶ死人たちの落し物だろう。誰も口はきけないし、もう使うこともなさそうだが、持ち帰るのも遠慮があって、手前の死人の胸元に置いて、会社に戻った。

夜道を英語塾へと歩いていた。道路脇に1匹のコリー犬がうろうろしていたので、頭を撫でてみた。コリーはすぐに私になついて、しゃがんでいた私にかぶさって私の顔をペロペロなめた。私達はすっかり仲良しになったが、塾があるので別れようとするのだが、どこまでもついてきて、塾の建物の中まで入ってきた。教室のドアを開けると、生徒達が好奇の目をコリーに向けた。私はコリーに、帰るように、と言った。コリーはしぶしぶ帰る素振りを見せた。私は、帰りはまた同じ道を通るから、また会おうね、と何度も、淋しげなコリーの後姿に言って聞かせた。

小説 #69

大きな卵が発掘された。恐竜の卵に違いない。2メートルはあってキレイナ楕円形だ。両手で抱えてみると、それほど重くない。中身はカラのようだった。1つだけではなかった。その辺一帯は恐竜の産卵場所だったようだ。ちょっと掘っただけでも、いくらでも出てきそうだった。ほとんどは割れて破片だけだったが、なかには原型をとどめているものもある。隣の男が、また1つ発掘した。米俵くらいの大きさだ。やはり中身はカラのようで、私はそれを右肩にかついで走ってみた。

高校生の夏休みの宿題に小説を書いて先生に提出した。先生は、「そんな自意識を持たないで下さいね。」とか言っている。先生は風邪を引いていて、すごい鼻声で聞き取りにくいが、私の小説を批判しているようだった。高校生の私は、未来の落ちぶれた自分の姿を書いたのだが、それは現在の自分の姿にピタリとあてはまっている。夢の中での高校生の自分が、先生の忠告を素直に受け入れ、反省し、未来の自分が大金持ちになるとか、偉い政治家になるとかいう小説に書き直してくれていたら、今の自分は少しは違う ものになっていたかもしれない、どうかしらん。

12畳くらいの大部屋に5,6人の男達が雑魚寝している。その中に私もいる。私達はテロリストのグループで、その部屋で爆発物を組み立てているらしかった。夜中、1個の爆発物が妙な音をたて始めて、私は目を覚ました。爆発するかもしれないと思ったら、本当に爆発した。当たりは黄色い光線に包まれた。幸い小さな爆発物だったが、核を仕込んだ爆発物も怪しい音をたて始めた。私達は転がるようにして外へ出た。ドカンとくれば、すべてはおしまいだ。💥

宗谷岬 #68

社内で色々つまらん用事をこなしていると、誰かが、「25日は宗谷岬です。」と言った。あしたじゃないか。で、「何時に❓」と聞くと、「9時です。」という。みんなで宗谷岬に集合だ。
宗谷岬は日本最北端の岬らしい。いつもとても強い風が吹いているところらしい。晴れの日にはロシアの樺太が見えるらしい。以前は南樺太は日本だったらしい。宗谷岬へは羽田から稚内空港へ飛行機✈で行って、飛行場でレンタカーを借りて、海沿いの道を走って、一時間くらいで到着するらしい。

体重が私の5倍はある大きなトラを連れて街なかを歩いている。カアサンは自分が面倒だから、私にトラとでかけてくれと簡単に言うけれど、トラと一緒に街なかを歩くことに限界をヒシと感じている。トラは大きすぎて電車に乗れないし、トラと一緒にレストランに入ったりはできない。力が強いからいつもタズナを持ってられない。トラが私から放れて駆け出すと、さすがにまわりの人達はギョッとなる。「トラ、ナニか食べたいものがあったら言って。」と、浮かない顔つきのトラを励まそうと言ってみる。トラは分からないといった表情をしている。まさか、人間を食いたいとは言えまい。私に命の危険があるということにはホンノ少し感じている。トラが機嫌を損ねたら大変なことになるだろう。

休日に名古屋に住んでいる彼女に会いに行った。名古屋駅前のサテンから彼女に電話したりメールを送ったりしたが、スマホの電源はOFFになっていた。そんなはずはない。これから彼女とランチし、結婚式💒の打ち合わせをするはずだった。予想外の展開に信じられない思いで呆然とサテンの天井を見ていた。背の高いスラリとした女だった。一時間程待ってサテンを出て東京行きの新幹線に乗った。東京に着いても彼女からの連絡はなかった。
駅の外に出ると雨が降っていた。セブンイレブンを見つけて、ビニール傘を買った。😭

湖 #67

朝、島のお婆ちゃんの畑を手伝っていた。ひと仕事終えて、お婆ちゃんは島の露天風呂へ行くと言った。一緒に行きたかったが、もう連絡船で帰る時刻が近づいていた。
島の役場前では合コンの案内が拡声器でアナウンスされていた。それに参加できないので少し残念に思った。連絡船のドックに向かった。役場から私の名前が呼ばれてた。くすぐったいような、こそばがゆい感じがした。
ここ十年の間に島に移住する若者が増えたという。この島にアパートを建てた若者もいるという。私もこの島で民宿でも経営する選択肢もあったかなと、船への道を迷いながら思っている。

T嬢から、誰かから脅迫されているから相談に乗って欲しい、という連絡を受けた。
会議室でM嬢と一緒にT嬢の話を聞くことにした。三人で犯人は誰かと考えた。何故、誰から、こんなに恨まれてるのだろう。とても恐いという。心当たりといえば、最近、アジア系外国人の彼を侮辱してしまったことがあったらしい。その他にも15人くらい心当たりがいるらしいが、よく分からない。

新しく引っ越してきた家の近くには湖があった。湖寄りの私の家の前には、一段低くなったところに、やはり家があって、庭や家の様子が見渡せた。その家には二人の娘がいて、姉のほうはかなりの美人だった。
夏になると、みんな家の前の湖で水遊びを楽しむふうだった。隣の娘たちもチョクチョク湖にでかけている。私も母に泳ぎに行くと言って、浮袋を持って家を出た。
湖には深場に行かないように手前にロープがはってあって、岸に近い水辺でたくさんの子供たちが遊んでいた。私も湖に入って、右肩に浮袋をはめて泳いだ。案外、気持のいいものだった。毎日でも来たいものだ。両肩に固定できるウキを買おうと思った。

穴 🚧⚠ #66

私たちは約七千年前の縄文時代の地層をスコップで掘り進めていた。七千年の間に積もった土くれなどを掻き出して当時の地面をあらわにしようという試みだ。七千年前の地層と、その上に堆積した土くれとは、明らかな色の違いがあったから、その黒っぽい土くれを掻き出していけばよかった。そうして掘り進めていくと、ちょうど中央が凹状になって、いきどまった。まん中だけがヤケに狭く深くなっている。巨大な漏斗のような形状だ。なんの目的でこんな穴を作ったのだろう。今まで掘ったことのない珍しい形。一刻も早く、考古学の先生に報告せねば。

駅構内のベンチに修一君が座っていた。一端は彼の前を知らんふりして通り過ぎたが、そのまま通り過ぎてしまえば大変後悔するだろうと思い、引き返して彼に声をかけた。そして、どこ受かったか、と聞くと、まだ浪人中と言うので少しホッとした。私は神戸の宗教の大学に入るための予備校へ行くことが決まっていた。時間があまりないので、手紙書くよ、と言って別れた。彼の住所を知っているのかどうか少し疑問だった。修一君は、ある奇っ怪で面妖な思い出の入口に立っている唯一の番人だった。しかし、夢だったから、永遠に謎のままで、がっかり😖⤵した。


その居酒屋に一人で入った。左はしから二番目のカウンター席について、隣の人が食べているカツ煮と焼き鳥を頼んだ。生ビールを飲みながら食べた。ゴハンも頼みたかったがヨシテ、オアイソにたくさん持っていた小銭をカウンターの棚の上に並べた。店のオヤジが信じられない速さで小銭をしまった。
トイレに寄って行こうと席を立った。が、カバンがないのに気づいて、席下の荷物置場を捜したが、見当たらない。ゾオッーとした。カバンには会社の約束手形が入っている。紛失なら、クビにならないまでも、大騒ぎになる、と、目が覚めた。夢でよかった。

「夢日記」 島尾敏雄 著

スマホ夢日記で検索したら、この本を見つけた。アマゾンの中古品を送料込みの700円で購入した。河出書房新社の文庫本だ。1968年昭和43年から1975年昭和50年、彼の51才から57才までの夢の記録だ。彼は1986年昭和61年69才で亡くなっている。死の直前まで夢日記を付けていたというから、この本以外にたくさんの夢の記述が眠っているのだろう。何故、この時期だけを切り取って発表したのだろうか。ここには、彼の家族や親族が何度も登場する中で、開高健、井上光春、吉行淳之介安部公房大江健三郎檀一雄埴谷雄高など、当時の第一線の作家たちが登場しているのも見ものだ。

カギ🔑 #65

なんの講義で、先生がどのへんのページについてシャベッテいるのか分からない。君、いまのところを説明してみなさい、と言われたら大変だ。私は隣の学生のテキストをチラチラと盗み見る。分からない内に時間がきて、なんなく授業が終わった。
隣の学生が立ち上り、この教室はシロアリに喰われている、と言い、カバンからシロアリ駆除剤をだして、教室のすみから散布を始めた。責任感の強そうな彼はシロアリ駆除に熱心のようだった。私は講義の内容が分からないし、これからシロアリ駆除の手伝いはできないと思った。

緊急事態が発生した。会社の存亡にかかわる重大案件だ。私とE氏だけでは対処しきれない。最高責任者のY氏に連絡して指示をあおがなければいけない。Y氏は、今、行きつけの居酒屋で顧客と会食している。E氏と私はY氏に報告すべく会社を出た。歩いて10分程の坂道の途中にその居酒屋があった。 戸を開けるとホボ満席状態だった。Y氏はカウンター席にいた。私は先に会社に戻ると言って店を出た。E氏は事態の説明に中に入っていった。
私は会社へと歩くのが面倒になりタクシーを呼んだ。そして行先を言おうとして住所が分からなくなった。尻のポケットに住所の載っている身分証明書が入っている。取り出してみると、高校生の学生証だった。私は高校生なんかじゃないはずだ、と強く思って目が覚めた。

売上金の入った小口金庫を持って会社に帰るところだが、江戸時代の建ち並ぶ漆喰の建物の屋根の上を歩いていて、そこを飛び降りて会社に戻ると、経理事務員のH嬢がいて、まだ新人の小柄な女の子👧だったが、小口金庫の金勘定をまかせて、社員たちの経費の清算もできるよね、と確認してから、倉庫へ行って明日の出売りのための商品の在庫の確認をしなくっちゃと思うが、倉庫のカギ🔑を持ってないことに気づいた。カギがないと明日の準備ができない。困った。合鍵は保管してあるが、上司の承認が必要で面倒臭い。ムムム。どうしよう。