夢の細道

夢日記

カフカ

私は敵の要人を警護する仕事をしていた。私がガードしていた男が銃で肩を撃たれた。私は急いで安全な車輌に撃たれた男を乗せた。男を撃ったのは私の仲間だった。私はこの国の人々にとって敵なのか味方なのか複雑な気持になった。 

 

そのバーで月一度の読書会が行われていた。私はカウンター席の端に座ってハイボールを飲んでいた。グラスの脇にその日の課題の文庫本を置いていた。そこに外人の男が現れてなんの本を読んでるんですかと尋ねられた。昭和の抒情的小説ですと私が言った。すると外人は自分はカフカが大好きですと言った。今でも海外ではカフカは人気があるんだなと私が言うと二つ席向こうの物知り顔の女が皮肉っぽく笑った。カフカ好きの友人のK君がいたらこの外人と話が弾んだろうなと思った。さっき笑った物知り顔の女がカフカもそうだけど今でもサルトルボーヴォワールを読む人達がまだいるみたいね。ありゃ幸せな時代の遺物にしか過ぎないのよ。もちろん当時は戦争やなんかあったけど、今ほどすさんではいなかった。私達はもう人間でなくなろうとしている。滅亡の風景が見えているのよ。文学なんかオワライ以下でしょー、と言った。この女性はなんで読書会に来たんだろうと思った。